もう17時か、

【文学】太宰治とアキバ加藤の文章を比較(22)

1 ムネオヘアーρ ★ sage 2009/06/23(火) 21:51:28 0
<テレビウォッチ>「走れメロス」の朗読(近藤芳正)から始まった。今2009年が生誕100年、太
宰治が若者に人気だという。なぜだろうと、面白い探索だった。

国谷裕子が「印象深い表現が多い」といくつかを挙げた。

「子どもより親が大事と思いたい」
「富士には月見草がよく似合う」
「恥の多い生涯をおくってきました」
……たしかに、昔から若者はこうした言葉に惹かれ、だれでもかかるから「はしか」ともいわれ
た。

「人間失格」前年の5倍に
しかし、いまの現象は少し違うらしい。代表作「人間失格」は、昨年の発行部数が前年の5倍に、
「走れメロス」は7倍に。この秋までに、4作が映画になる。

それまでマンガしか読まなかったが、2年で全作品を読破したという18歳がいう。「オレと会話し
ているような感覚」と。また、読書感想文コンクールで入賞した女子高生(18)は、「大人って、『
若い頃はみんな悩むよね』というけど、太宰は一緒に悩んでくれるような。同じに悩む大人がいるの
は衝撃だった」という。

共立女子大の米沢幹一教授は、その文体が今のブログの文体に似ているという。ある女子大生の
ブログのおしゃべり、とりとめもなく句点だけで延々と続く文体は、たしかに似ている。「昔よりい
まの若者の方がすんなりはいっていける」という。

また、立大の石川巧教授は、感想文コンクールの入選作に「人間失格」が多いのが、バブル崩壊
直前と現在(ピーク)であることに注目する。「社会に漠然とした不安が広がるとき人間失格が読ま
れる。社会が過剰な適応性を求めるとき、社会の不適合者としての自分が共鳴する」と。

太宰は津軽の裕福な家に生まれ、酒、薬の放蕩生活をおくって勘当され、人の道にはずれること
もやり、そうした葛藤をそのまま作品にした。

「日本人で良かった。太宰を日本語で読めて」
作家の井上ひさしは、その魅力を「とにかく面白い」という。太宰を引用して「ただただ本流の
小説を書きたいだけ。面白い筋書きだよ。弱くてやさしい人間が、面白い筋書きの中でのたうち回り
ながら生き生きと生きる」と。「これが太宰の理想ですね」

「太宰の苦しみは自分の苦しみだと、面白い筋書きで書かれると、あたかも自分に向けられているよ
うな気になる」
太宰の「うまさ」について「われわれのいう『つかみ』です」と、「駆け込み訴え」の書き出し
を朗読で聞かせた。

「申し上げます、申し上げます……あの人はひどい、厭な奴です……ずたずたに切りさいなんで殺し
てください」。読むものをいきなりわしづかみにする。井上は「いきなりこれですからね」
その文体は、太宰だけのものだと井上はいう。津軽言葉の昔話、父が呼んだ歌舞伎、義太夫、落
語……話し言葉のテクニックが、その後出会った近代の散文を飲み込んでしまった独特のものだと。

明大の伊藤氏貴講師はある高校で、太宰の文章とある若者の文章とを並べてみた。秋葉原の無差
別殺人犯がネットに残した言葉、これが驚くほど似ていた。しかし、太宰にはやさしさがあった。「
一筋の光がある」と伊藤講師。「最後はポジティブ」と高校生はいう。

井上も「人にはみな小さな宝石があって、それを発見し書くのが小説家の仕事。太宰が書く小さ
な宝石を、若者は自分のなかに見い出しているのではないか」「日本人でよかった。太宰を日本語で
読めて」とまでいう。

別の番組で、太宰の妻が「彼は自分のことだけを書いていました」というくだりがあった。ひと
つ間違えば、「ただの厭な奴」。それくらいでないと、書けないものなのかもしれない。


J-CAST テレビウォッチ
:http://www.j-cast.com/tv/2009/06/23043779.html
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